Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
Print ISSN : 0007-5124
疾患モデルとしてみた本邦におけるイヌおよびネコの自然発症神経系疾患―主として神経学的検査法を用いて―
徳力 幹彦竹内 啓沢崎 坦
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1981 年 30 巻 3 号 p. 233-240

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抄録
東京大学農学部附属家畜病院に来院した, 種々の神経症状を呈するイヌおよびネコのうち119例について, 主として神経学的検査法による疾患別分類を試みた。
イヌの脳疾患では, 水頭症ならびに前庭疾患がもっとも多く, 脳炎ならびにてんかんがこれに続いた。ヒトの錐体外路系疾患にみられる舞踏病様運動, アテトーゼおよび片側バリスムのような異常運動は, イヌでは観察されなかった。
イヌの脊髄疾患では, 椎間板ヘルニアはもっとも普通にみられるイヌの神経疾患であり, ヒトのそれとは異なり, 胸腰部に多発し, 疼痛のみならず, 不全麻痺ないし麻痺へと進行するものが多かった。
ネコの脳疾患では, panleukopenia virusの胎盤感染によると考えられている小脳変性疾患が著しく多かった。
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© 社団法人日本実験動物学会
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