Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
Print ISSN : 0007-5124
メタン発酵による実験動物排泄物のエネルギー化に関する基礎的検討
鎌田 信一佐久間 伸一柿市 徳英内田 和夫今道 友則
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1981 年 30 巻 4 号 p. 445-450

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抄録
豚糞等の家畜排泄物をメタン発酵によって処理する基礎的研究は以前からなされているが, 実験動物排泄物のメタン発酵に関する報告は未だみられていない。そこで, ラット糞を用いてメタン発酵によるメタンガス回収に関する基礎的検討を行ない, 次の成績を得た。1.ラットの糞を用いたメタン発酵で糞中の有機物1kg当り, 220~4231/kgの発生ガス量を得た。2.有機物中の除去されたBOD分解率は適正負荷条件下で50~60%であった。3.有機物中の除去されたBODg当りのガス発生量は500~600ml/9であった。4.発生ガスのメタンガス含有濃度は55~60%を示した。5.COD除去率は80%以上, BOD除去率も有機物負荷4.89/1/dまで90%以上であった。以上の成績, 特にガス発生量, メタンガス含有濃度の点からメタン発酵によるラット排泄物のエネルギー化は十分可能であり, 今後さらに検討する必要があると思われる。
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© 社団法人日本実験動物学会
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