Experimental Animals
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ウサギにおける補体第6成分 (C6) 欠損形質の遺伝と2, 3の特性
阿部 恒夫小松 正憲山本 健一右田 俊介
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1982 年 31 巻 1 号 p. 21-26

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抄録
わが国において閉鎖集団として飼育されているアンゴラ種ウサギの一系統の約半数にC6欠損個体を見出し, その形質が常染色体性の劣性遺伝形質であることを確認した。そして, この集団のウサギ血清中のC6レベルはC6欠損遺伝子のgene dosage effectによって支配されていることを示唆した。この動物を実験動物として利用する立場から, 長毛のC6欠損ウサギに短毛遺伝子を導入し, 短毛のC6欠損ウサギを作出した。またC6欠損ウサギをC6陽性ウサギ血清で免疫することにより, 容易に抗ウサギC6血清を作製することができた。そして, この抗血清はヒト, ウシ, ブタ, ヒツジ, ヤギ, イヌ, モルモットおよびマウス血清とも交差反応を示し, C6欠損血清とともに, 各動物のC6検出の生物学的試薬として有用であることを示した。
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© 社団法人日本実験動物学会
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