Experimental Animals
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アカゲザルおよびカニクイザルの自由摂水時における摂取水分量と尿量の関係
及川 弘山下 武夫武藤 通彦沢井 守治
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1982 年 31 巻 4 号 p. 279-286

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抄録
アカゲザル雄およびカニクイザル雄と雌に自由に飲水させた場合の摂取水分量 (飲水および飼料より得た水分) と尿量との関係をしらべた。
飲水量は個体間の変動がはげしく, 20~30%の個体で多量に飲水するもの (Polydipsia) が認められた。通常量飲水する個体では日間差および時期 (季節) 間差は認められなかった。多量飲水個体では日間差は認められなかったが, 時期間差が認められた。
尿量は飲水量に並行して変動する傾向が認められたが, 摂取水分量の尿中排泄率はアカゲザル雄, カニクイザル雄, 同雌の順で低下し, 各群とも多量飲水個体で通常量飲水個体より大きい値を示した。
飲水・排尿ともに殆どが照明時間帯で行われ, 日内変動のパターンは種別, 雌雄別で著しい差は認められなかった。飲水量は摂食時に最大であった。多量飲水個体の日内変動は量を除けば通常量飲水個体のパターンに近似した。
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© 社団法人日本実験動物学会
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