Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
Print ISSN : 0007-5124
異常小精巣ラットの育成と形態学的観察
藤田 博文筏井 洋上松 嘉男鈴木 勝士今道 友則
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1983 年 32 巻 2 号 p. 85-92

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抄録
Wistar-Imamichiラットにおいて偶然発見された1匹の異常小精巣ラットを兄妹交配により8代継代し, 次の成績を得た。1.異常小精巣雄ラットは正常牡相を呈し, 発育, 精巣の陰嚢内への下降とも正常で, 外観からは異常の有無を判別し難いが, 陰嚢部の触診によれば8週齢前後より精巣異常の検出が可能であった。2.本系統での精巣異常は391例中80例 (20.5%) に発現し, 片側性又は両側性である。異常個体80例中右側精巣異常は26例 (32.5%) , 左側異常39例 (48.8%) , 両側異常15例 (18.8%) であった。3.片側性異常雄ラットでは正常雄ラットに相当する繁殖成績が得られた。両側性異常雄ラットでは, 交尾行動は正常であったにもかかわらず交配結果は不妊であった。4.異常小精巣雄ラットは正常雄ラットに比べて精巣が小さい (正常精巣の約2/5) ばかりでなく, 異常精巣に付随する精巣上体や精嚢などの副生殖器が小さい傾向がみられ, しばしば精巣上体あるいは精管の欠損が認められた。5.成熟時における異常小精巣の塗抹標本もしくは組織学的検索によれば, 一部の例外を除きほとんどの場合に精子形成不全が認められた。しかし, 片側性異常小精巣ラットにおける外観上正常な精巣では, 精子形成過程像が観察された。
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© 社団法人日本実験動物学会
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