Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
Print ISSN : 0007-5124
野生および繁殖育成カニクイザル血清のHerpes Simplex Virus補体結合抗体とHerpes B Virus中和抗体
篠川 旦鈴木 誠成田 豊子本庄 重男カルター S.S.
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1986 年 35 巻 1 号 p. 59-63

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抄録
カニクイザルの血清においてHerpes Simplex Virus (HSV) に対する補体結合 (CF) 抗体価とHerpes B Virus (HBV) に対する中和 (SN) 抗体価とを比較した。野生由来カニクイザルでは, 77頭中57頭 (74%) がHSV-CF抗体陽性であり, 65頭 (84%) がHBV-SN抗体陽性であった。HSV-CF抗体陽性の57頭は総てHBV-SN抗体も陽性であった。またCF抗体陰性20頭中12頭はHBV-SN抗体も陰性であった。一方, 繁殖育成したカニクイザル40頭では, HSV-CF抗体陰性の30頭は全てHBV-SN抗体も陰性であった。さらにCF抗体陽性の10頭中1頭のみがSN抗体陽性であった。これらの結果から, HBVのような危険な病原体を取扱うための設備が無い場合, 便宜的な方法としてHSV-CF抗体の検索によりHBV感染の有無を或る程度推測してもよいと考えられる。
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© 社団法人日本実験動物学会
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