Experimental Animals
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台湾南部の野生スンクスと飼育スンクスの血清成分及び肝組織鏡検との比較
林 松州土方 貴雄斉藤 洋亀井 幸子志賀 淳治王 昭雄
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1987 年 36 巻 1 号 p. 57-63

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抄録
オスの野生スンクスと飼育スンクスの血清成分及び肝組織鏡検を血清学的及び酵素学的に比較検討し, 次のような結果が得られた。 (1) 野生スンクスのSGOT, γ-グルタミルトランスペプチダーゼ, 無機燐, 血清尿素窒素, クレアチニン, 尿酸及び硫酸亜鉛混濁試験の数値は, 4週齢及び8週齢の飼育スンクスより高い。 (2) 野生スンクスの総コレステロール値は, 4週齢及び8週齢の飼育スンクスより低い。 (3) 野生スンクスの総ビリルビン及び直接ビリルビン値は, 4週齢のスンクスより高い。Ca及びアルブミン値は, 4週齢の飼育スンクスより低いが, 8週齢の飼育スンクスとの有意な差は認められない。 (4) 野生スンクスのアルカリ性ホスフアターゼ及びチモール混濁試験の数値は, 8週齢の飼育スンクスより高いが, 4週齢の飼育スンクスとの有意な差は認められなかった。 (5) 67匹の野生スンクスには, 2匹のみ肝臓に脂肪滴がみられ, その1匹の小葉間結合組織に, 軽度の円形細胞浸潤がみられた。すべての飼育スンクスの肝組織切片に+程度の脂肪滴が認められた。
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© 社団法人日本実験動物学会
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