Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
Print ISSN : 0007-5124
モルモットにおける肺炎球菌の増殖および伝播に及ぼすセンダイウイルス感染の影響
斉藤 学中山 一栄松原 純子松野 久美子中川 雅郎
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 37 巻 1 号 p. 59-65

詳細
抄録
モルモットにおける肺炎球菌の増殖と伝播性がセンダイウイルス (以下, センダイ) の重複感染によって顕著に促進されることを明らかにした。すなわち, 肺炎球菌単独感染モルモットをinfectorとして無処置モルモットとケージ内同居を2週間および4週間継続した場合, 同居モルモット30匹中本菌の感染を受けた個体は僅か2匹であったが, これに対して, 同居動物にセンダイを感染させ, 直ちに肺炎球菌感染infectorとケージ内同居させたところ, 2週後には15匹中10匹が, 4週後には15匹すべてが本菌に感染した。あらかじめ肺炎球菌単独感染infectorと4週間ケージ内同居させたモルモットにセンダイを感染させても本菌陽性個体は検出されなかったことから, 不顕性感染によって本菌が伝播している可能性は否定された。また, 2週間前にセンダイを感染させたモルモットを肺炎球菌感染infectorと同居させても30匹中25匹に感染が成立した。一方, モルモットの呼吸器における肺炎球菌の増殖はセンダイの重複感染によって顕著に増強された。
著者関連情報
© 社団法人日本実験動物学会
前の記事 次の記事
feedback
Top