抄録
ナキウサギを用いて実験的潰瘍の形成についてラットと比較・検討した。ナキウサギに水浸拘束ストレスを1日当たり2時間負荷すると4から5日に胃潰瘍が形成された。3時間の負荷では1~4日, 4時間の負荷では1~3日および5時間の負荷では1~2日に形成した。特に5時間負荷では広範な潰瘍が形成した。病理組織学的には多くは粘膜に限局していたが, 5時間負荷では粘膜筋板に達しており, 炎症性変化も認められた。一方, ラットは1日当たりのストレス負荷が短時間で胃潰瘍が形成したが, 組織学的にはナキウサギに比べて軽度であった。従って, ナキウサギで胃潰瘍を形成するには, 4時間4~5回程度が適しており, ラットより重篤な胃潰瘍が形成される可能性がある。ナキウサギにセロトニンおよびレセルピンを皮下投与した場合, 胃潰瘍の出現と程度に差が認められ, この点ラットと異なった。