Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
Print ISSN : 0007-5124
ビーグル仔犬の犬パルボウィルス, 犬ジステンパーウィルスおよび犬伝染性肝炎ウィルスに対する移行抗体価の推移とワクチン接種に対する応答について
飯田 治三福田 俊川島 直行山崎 友吉青木 純二鴇田 和実森岡 一憲宝田 奈美添田 照子
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1990 年 39 巻 1 号 p. 9-19

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抄録
ビーグルの新生仔の犬パルボウィルス (CPV) , 犬ジステンパーウィルス (CDV) および犬伝染性肝炎ウィルス (ICHV) の血清中の母犬からの抗体の移行率および半減期, また各ワクチン接種に対する応答率, 応答する保有抗体価および生後日齢について検討した。母犬4頭とそれらの仔犬21頭の生後7日齢における両者の抗体価は高い相関を示した (CPV: 相関係数r=0.7935, CDV: r=0.8194およびICHV: r=0.8105) 。抗体の生後7日齢の平均移行率はそれぞれCPV: 67%, CDV: 46%: およびICHV: 45%, 平均半減期はCPV: 13.9日, CDV: 15.1日およびICHV: 15.4日であった。母犬6頭から得られた仔犬38頭のワクチン接種に対する応答率は, CPVワクチン接種1回目 (42日齢) では39%, 2回目 (70日齢) では82%であった。抗体の上昇は接種前の保有抗体価が5以下の個体で高率にみられた。CDVワクチン接種 (56日齢) に対する抗体の上昇は53%で, 接種前の保有抗体価が10以下の個体で高率にみられた。ICHVワクチン接種 (56日齢) に対する応答率は87%で, 接種前の保有抗体価が20以下の個体で高率にみられた。本実験の結果からワクチン接種の適正時期は, CPV: 40~69日齢, CDV: 32~92日齢およびICHV: 31~52日齢と推定された。
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© 社団法人日本実験動物学会
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