抄録
各種毒性試験に用いられた8~15ヶ月齢のビーグル犬雄144例, 雌132例における自然発生病変を病理組織学的に検索した。検索の対象とした33臓器のうち30臓器に何らかの病変がみられた。もっとも高頻度に認められた所見は肝臓の単核細胞浸潤 (雄98r%, 雌97%) で, 次いで腎臓のカルシウム沈着, 唾液腺の単核細胞浸潤, 脾臓の色素沈着などが雌雄とも30%以上の頻度で認められた。腎臓における尿細管上皮の空胞化は雌で多発し, 胆嚢の単核細胞浸潤, 副腎の球状層細胞の空胞化は雄で多発する傾向を示した。