Experimental Animals
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ニキビ炎症モデルの免疫組織化学的検討
東保 麻美内田 良一宮本 達小川 忠丈
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1990 年 39 巻 4 号 p. 531-537

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抄録
SD雄系ラット, (8週齢) の耳介にPropionibacterium acnes (P.acnes) の加熱死菌140μg (乾燥重量) を皮下注射した。炎症の強さの指標とする為に, 試料投与部位及び対照部位の耳介の厚さをマイクロインジケーターを用いて1日1回, 1週間, さらに1日おきに35日目まで測定した。また, 経時的に組織検査用に動物を屠殺し, 被検部組織をヘマトキシリン・エオジン染色にて炎症状態を調べた。さらに, 酵素抗体法により, P.acnesを特異的に染色してその動態を検討した。ラット耳介の厚さを測定した結果, 2日目には, 対照の2倍以上になり, 腫脹は最大になった。5日目までに腫脹は軽減し, 対照の1.5倍になり, 35日間持続した。組織学的検査の結果, 腫脹部位にリンパ球, 好中球からなる顕著な細胞浸潤が認められた。細胞浸潤は投与初期から24時間までは多核白血球が主体でありそれ以降は, 単核細胞主体の細胞浸潤となった。P.acnes投与6時間後には一過性の好酸球の浸潤が認められた。酵素抗体法による検査の結果, 投与35日目の組織においても細胞浸潤部位の細胞及び貪食細胞内にP.acnes抗原が存在することが判った。本炎症モデルは肉芽腫性炎症を伴う尋常性座瘡の動物実験モデルとして有効と考えられる。
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© 社団法人日本実験動物学会
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