Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
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マウス脳脊髄炎ウイルス (TMEV)
―日本で新たに分離された株とその性状―
宮田 博規佐藤 浩
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1990 年 39 巻 4 号 p. 539-548

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抄録
わが国の実験用マウスコロニーにマウス脳脊髄炎ウイルス (TMEV) の感染が存在するか否かを血清学的・ウイルス学的に検索した。また新しく分離された株の同定ならびに性状についても検討した。その結果, コンベンショナルマウスで8倍以上の抗体陽性例を137/354 (38.7%) に確認し, その抗体価の分布は1: 8~1: 512であった。一方, SPFマウスは全例陰性 (0/90) であった。抗体陽性マウスの腸乳剤から新しく分離されたウイルス (YOC株, AB株) の性状を検討したところ, エーテル耐性, pH3で安定, 粒子サイズ10~50nmであり, SDS-PAGEならびにイミュノブロッティングでのウイルス蛋白の分析結果もVP1; 33Kd, VP2; 32Kd, VP3; 25Kdの主バンド, VPO; 38Kdの副バンドが認められ, かつウイルス核酸もRNAであることよりTMEVの標準株であるGD-VII株と一致した。また血清学的にもGD-VII株と両方向性に交差し, さらにマウス脳心筋炎 (EMC) ウイルスのVP2とも交差した。しかし, 分離株のマウスにおける病原性は, 後肢麻痺, 立毛を主徴とする亜急性感染経過をとり, 従来報告されているTO株に類似すると考えられた。以上の結果から, 欧米同様我が国のコンベンショナル・マウスコロニーにもTMEVの感染が存在し, 今後我が国の全生産業者由来SPFマウスの検査項目の一つとしてとりあげる必要性が示唆された。
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© 社団法人日本実験動物学会
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