抄録
ラットにおける自然発生性の骨髄肉芽腫は, Slc: Wistar系の19週齢以降の雌に高頻度に認められたが, JCL: SD系およびSlc: SD系には雌雄ともにまったく発生は認められなかった。雌Slc: Wistar系における骨髄肉芽腫を病理組織学的に観察すると, 主としてリンパ球や形質細胞で囲まれた類上皮細胞やマクロファージで構成されており, 異物あるいは病原微生物の存在は認められなかった。6週齢のSlc: Wistar系ラットの卵巣を摘除すると, 20あるいは24週齢における骨髄肉芽腫は, その大きさ・発生頻度ともに著明に低下した。これらの結果から, 本肉芽腫の発生には遺伝的素因が関与しており, さらに増強因子として免疫系に影響を及ぼすestrogenが重要な役割を果していると考えられる。