Experimental Animals
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DDD/1-Mtv-2/Mtv-2コンジェニックマウスとDDD/1マウスの間での乳癌発生に関わる背景因子の比較
茶山 和敏田中 愼松沢 昭雄
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1990 年 39 巻 4 号 p. 583-588

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抄録
乳癌誘発に関係する背景因子へのMtv-2遺伝子の関与を解明する目的で, GRS/AJms (GR) マウスから. Mtv-2遺伝子を導入・作出したDDD/1-Mtv-2, /Mtv-2 (DDD-Mtv-2) コンジェニックマウスとDDD/1マウスの間で, 内分泌活動及び免疫能に関係する臓器, 乳腺の発達, マウス乳癌ウイルス (MMTV) -gp52抗原の発現, 過形成胞状結節 (HAN) 及び乳癌の発生について比較した。4, 6及び12ヵ月齢での観察で, 体重, 子宮, 卵巣, 副腎, 下垂体, 胸腺及び脾臓の重量, 卵巣の組織像と乳腺発達に関して, Mtv-2に直接関係あると考えられる差は全くなかった。これに対して, DDD-Mtv-2のみでMMTV-gp52抗原が発現し, HANと乳癌が発生した。従って, Mtv-2遺伝子は乳癌発生に関わる背景因子を介して, その発生を促進させるのではなく, 乳腺細胞での内因性MMTVの産生により細胞をトランスフォームさせ, 乳癌発生率を高めることが判明した。また既報のGRに関するデータとの比較で, Mtv-2の発現がDDD/1の遺伝的背景では, より弱いことが示唆された。
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© 社団法人日本実験動物学会
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