Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
Print ISSN : 0007-5124
リスザル (Saimiri sciurea) の血液学的ならびに血清生化学的測定値の妊娠にともなう変化の正準判別分析法による解析
吉田 高志浜野 政章大藤 圭子長 文昭後藤 信男
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1991 年 40 巻 3 号 p. 315-322

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抄録
筑波医学実験用霊長類センターの繁殖コロニーで, 雌雄の長期同居方式によって妊娠したリスザルの血液学的・血清生化学的測定値 (14変量) について解析を加えた。項目ごとの検討で調査期間中, 有意な変動 (p<0.01) が検出された項目は, 血液学的検査では, 赤血球数, 平均赤血球容積, ヘマトクリット値, ヘモグロビン濃度, 白血球数であり, 血清生化学検査では, アルブミン量, 尿素窒素量, 総コレステロール量, 中性脂肪量, アルカリ性フォスファターゼ活性およびカルシウム量であった。これらの測定値に多変量解析法のひとつである正準判別分析法を適用したところ, リスザルの妊娠にともなう血液・血清性状の総合的な変化のうち前期の変化を第1正準変量の変化として, 後期の変化を第2正準変量の変化として検出することができた。
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© 社団法人日本実験動物学会
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