Experimental Animals
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モロシヌス・マウスの継代過程と新しい近交系の確立
野間口 隆櫻井 洋子
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1993 年 42 巻 2 号 p. 175-179

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抄録
モロシヌス・マウス (Mus musculus molossinus) のMiura♀×Urawa♂ (MU) F1を祖先として, 初産同腹子間の兄妹交配による継代を試みた8群のうち, MUA, MUF, MUGの3群がそれぞれF21, F20, F22に, MUDとMUEの2群がF18に達したが, 他の3群はF10までに断絶した。F20に達した3群が, それまでに要した日数は2, 292.3±127.3日, 平均世代日数は114.6±50.1日で, F20まで継代するのに少なくとも6年を必要とした。継代に要した日数は前半と後半世代とでは著しく異なり, F0~F10が1, 502.0±32.8日を要したのに対して, F10~F20は790.3±95.0日に大幅な短縮が認められ, 平均世代日数も, それぞれ150.2±41.7日, 79.0±29.1日であった。このマウスの繁殖能は, 初産齢がF0~F9では124.5±29.4日齢, F10~F19では77.8±9.3日齢で, 初産子数は平均5匹 (2~8匹) , 離乳子数の平均も5匹 (2~7匹) で, 離乳した雌雄の割合は, 雄の方が多い傾向がみられた。また, 出産回数は53.9±28.4日の間隔で8~9回, 最短出産齢56日齢, 最短出産間隔19日, 最終出産齢502.4±15.7日齢であるので, 繁殖可能期間は37~518日齢と推定される。
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© 社団法人日本実験動物学会
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