Experimental Animals
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超急速凍結法を用いたトランスジェニックマウス由来胚の凍結保存
安斎 政幸中潟 直己松本 和也高橋 明男高橋 由美宮田 堅司
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1993 年 42 巻 3 号 p. 467-470

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抄録
当研究室で作製したトランスジェニックマウスの系統保存を量的に, 既に確立されている超急速凍結法を用いて2種類のトランスジェニックマウス (ラット成長ホルモン・アンチセンス遺伝子が導入されたトランスジェニックマウスおよびホタル・ルシフェラーゼ遺伝子が導入されたマウス) 由来の初期胚の凍結保存を行った。導入遺伝子をヘミ接合に持つ雄マウス精子を用いた体外受精によって得られた2細胞期胚の凍結融解後の生存率は, 双方とも70%以上と高率であり, さらに移植後の新生児への発生率は前者で53%, 後者で16%であった。また, 産児の尾部組織より抽出したDNAをサザンプロッティング解析で調べたところ, いずれも約40%の個体に外来遺伝子の伝達が認められた。以上のことから, 超急速凍結法によるトランスジェニックマウス由来初期胚の凍結が可能であることが示された。
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© 社団法人日本実験動物学会
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