Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
Print ISSN : 0007-5124
冬眠動物ポケットマウスPerognathus flavusの実験室内飼育の試み
松崎 哲也横畑 泰志神谷 正男テリー ヤテス
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1994 年 43 巻 3 号 p. 421-425

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抄録
1990年9月に北海道大学獣医学部より冬眠動物であるポケットマウス (Perognahtus flavus) を導入し, 実験室内飼育を試みた。ポケットマウスの飼育環境はマウス飼育条件で可能であった。繁殖の試みでは, 雌4: 雄2をランダム交配させた結果, 一組に妊娠が成立し, 室内飼育で初めて出産が観察された。その1腹から3子が誕生し, 新生子は赤裸で体毛がなく閉眼していた。体重は1.0gであった。3週齢の体重は雌で6.5g, 雄は5.6gとなり離乳が可能であった。その後の成長速度は速く, 雌では5週齢で, 雄は7週齢でほぼ成熟体重 (8.0g) に達した。なお, 妊娠期間は26日と推定された。上記の結果, ポケットマウスの室内飼育繁殖の可能性が示唆された。
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© 社団法人日本実験動物学会
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