Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
Print ISSN : 0007-5124
43 巻, 3 号
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  • 京極 方久
    1994 年 43 巻 3 号 p. 283-302
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 1994 年 43 巻 3 号 p. 303-331
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 篠田 元扶, 石川 巧一, 三浦 豊彦
    1994 年 43 巻 3 号 p. 333-341
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    ラットの行動リズムは下垂体摘出後に不明瞭化し位相変位が認められることから, 生体リズム発現の中枢である視交叉上核 (SCN) は下垂体摘出による影響を受けるものと考えられる。そこで, 下垂体摘出がSCNニューロンに及ぼす影響について免疫組織化学的に追究した。実験にはWistar-lmamichi系雄ラットを用い, 60日齢にて下垂体を摘出した。そして10, 30および60日目に脳を灌流固定し, vasopressin, VIPおよびsomatostatin抗体を用いてSCNに対し免疫組織染色を施した。その結果, 下垂体摘出後10日目にはSCNのsomatostatinニューロンは検出されなくなったが, 30日目および60日目のSCNには僅かながらsomatostatine陽性細胞体の出現がみられた。一方, vasopressin, およびVIPニューロンには大きな変化はみられなかった。これらの成績から, 下垂体摘出はSCNにおけるsomatostatinの消失を惹起し, その結果, 行動リズムにも影響が及ぶことが示唆された。
  • 田中 愼, 野崎 学, 松沢 昭雄
    1994 年 43 巻 3 号 p. 343-349
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    近交系野生色マストミス (Pyaomys coucluz; MWC) を用い, 繁殖活動に注目して20例の雌を4例ずつ未経産・妊娠末期・出産2日後・哺乳中断・哺乳完遂の5群に分け, 主要器官重量と卵巣の組織像を比較した。妊娠すると肝臓・脾臓・卵巣の重量は増加したが, 腎臓・下垂体・副腎は変化しなかった。哺乳経験の有無では, 肝臓・腎臓・副腎・卵巣の重量に差がみられ哺乳群で大きかった。しかし脾臓・下垂体・子宮の重量に差はなかった。下垂体は出産2日後に最大値を示した。卵巣を組織学的に比較すると, 卵胞の成長と黄体の消長が重量の変化とよく同調していた。間質は未経産群で狭量であったが, 妊娠の間に拡大した。間細胞には, 空胞を伴い明るくみえる細胞と, これを欠き暗くみえる細胞の2型があり, 後者は妊娠後, 前者は哺乳中断でそれぞれ増加した。これらの変化は, マストミスの間細胞も副腎皮質の網状層や境界層を構成する細胞と同様特異な代謝系を有する可能性を示唆した。しかしその過程が副腎皮質では哺乳により依存しているのに対して, 間質では哺乳より妊娠とより密接に関連している点が異なっていた。
  • 小林 森, 大津 裕司, 野田 攸子
    1994 年 43 巻 3 号 p. 351-356
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2010/12/09
    ジャーナル フリー
    化学物質による肺腫瘍の発生に対する免疫監視機構の役割を解析する目的で, 14~16日齢のT細胞機能を欠くBALB/cヌード (nu/nu) マウスと, その機能を有する同腹のBALB/c (nu/+) マウスにウレタンを腹腔内投与し, 肺腫瘍発生の用量一反応相関性および経時的変化を比較検討した。用量一反応性の検討にはnu/nuマウスとnu/+マウスをそれぞれ5群に分け, 体重1g当たり0, 0.25, 0.5, 1.0および1.5mgのウレタンを投与し, 6ヵ月後に全動物を屠殺し, 肺腫瘍発生数を調べた。その結果, 各投与量に対する反応性 (肺腫瘍発生) はnu/nuマウスとnu/+マウスではほぼ同じであった。次に0.5mg/g体重のウレタン投与後, 28日から12ヵ月にかけて経時的にマウスを屠殺し, 肺腫瘍の発生率と腫瘍数を調べた。その結果, nu/nuマウス群およびnu/+マウス群での肺腫瘍発生率は, 6ヵ月目ではそれぞれ73%, 80%であり, 12ヵ月目では96%, 97%で, 双方のマウス群間に差は見られなかった。1匹当たりの平均肺腫瘍数は, 両マウス群共に経時的に同様の値で加算的に増加し, 12ヵ月後ではnu/nuマウスでは4.8個, nu/+マウスでは4.4個であった。以上の結果から, T細胞機能を欠くヌードマウスはnu/+マウスに比べて, ウレタンによる肺腫瘍発生の頻度は高くなく, 今回のモデル実験からは, いわゆる免疫監視機構説を支持する結果は得られなかった。
  • ―電気生理学的検査による検討―
    清澤 岩水, 青木 誠, 今村 卓広, 柴田 信男, 内藤 惇, 斎藤 徹, 高橋 和明
    1994 年 43 巻 3 号 p. 357-367
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    自然発症性糖尿病好発WBN/Kob系雄ラットの加齢に伴う視覚機能を電気生理学的検査により検討した。Wistar/ST系雄ラットを対照とし, 各々5, 9, 13, 17, 23, 27, 36, 45, 54, 67, および80週齢時に各5匹ずつ, 網膜電図および視覚誘発電位による検査を実施した。網膜電図による検査の結果, 明順応時, 20分暗順応時とも, 17から27週齢時頃にかけてa波およびb波潜時の延長と振幅の減弱が認められ, 加齢に伴い顕著になった。また, 同時期より律動様小波の振幅の減弱も認められ, 同様の経過をとった。そして, 67および80週齢時には明確な視覚機能障害と考えられている消失型網膜電図が観察された。視覚誘発電位による検査の結果, 各頂点潜時には加齢に伴う一定した変化は認められなかった。頂点間振幅は54週齢時以降著しく減弱したが, 網膜電図が消失型となった67および80週齢時においても5週齢時の26および28%と視覚機能のわずかな残存が認められた。以上の成績から, 網膜電図および視覚誘発電位による視覚機能検査により, WBN/Kob系雄ラットは67および80週齢時に重篤な視覚機能障害を示すことが判明し, その障害にいたる過程が明らかとなった。
  • 吉田 高志, 冷岡 昭雄, 長 文昭, 吉川 泰弘
    1994 年 43 巻 3 号 p. 369-374
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    ミドリザルの腰椎骨密度 (BMD) の測定を二波長X線骨密度測定装置によっておこなった。雄のBMDは0.674±0.0689/cm2 (Mean±S. D., 変動係数C.V.=10%) であったのに対し, 雌のそれは0.611±0.1059/cm2 (C.V.=17%) と平均値も小さく, 個体差も大きなものであり骨減少症の個体が含まれている可能性が示唆された。BMD値と血清性状値との関係を解析する目的で, 雌をそのBMD値によって2群 (A: n=31, B: n=22) に分け, 雄 (n=37) を加えて都合3群として, 血清性状値による正準判別分析をおこなった。その結果血清性状値による群の判別が可能であると判断され, 血清性状値とBMD値との間に密接な関連があることが示された。当センターのミドリザルに, 血清の低タンパク・低カルシウムおよび高リン, 高アルカリ性フォスファターゼ活性化にともなう骨減少症を呈する個体が含まれているものと判断された。
  • 三日月 勝見, 平沢 勉, 千葉 博喜, 高橋 恵子, 境 陽子, 大原 眞代子, 根縫 弘子
    1994 年 43 巻 3 号 p. 375-379
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    Pasteurella pneumotropica (P. pneumotropica) 不顕性感染マウスにおける菌の定着の様相について, 独自に調整した選択培地 (NKBT培地およびTGN broth) を用いて調べた。0~15週齢のマウスでは, 菌は主に上部気道, 下部腸管, 膣から分離され, 咽喉頭からの分離率が最も高かった。妊娠および授乳中の雌でも菌は同じ部位から分離されたが, 子宮, 胎児, 乳腺からは分離されなかった。新生児では, 菌は生後24時間以内に気道および腸管から分離された。菌は0~20週齢のマウスで常に糞便中に排泄されており, 生菌数は生後1週時に最も多かった。複数の系統のマウスコロニーのモニタリングにおいて, 咽喉頭からの分離率は常に糞便からの分離率より高かった。以上の結果から, P. pneumotyopicaのマウスにおける主な定着部位は咽喉頭, 膣, 下部腸管であることが明らかになった。さらに, 膣および糞便における高い分離率および新生児での菌分離成績から, コロニー内における菌の伝播は出生時の産道で, あるいは出生後の母マウスの糞便や唾液を介して起こることが示唆された。
  • 鳥居 隆三, 和 秀雄
    1994 年 43 巻 3 号 p. 381-387
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    オスニホンザル5頭を用いて, 月に1回採血を行い, 血中T (テストステロン) およびLH値を測定して季節変動を確認すると共に, 非交尾期の性腺機能の低下の要因について検討するため, 5頭および3頭を用いて, それぞれhCG, LH-RH投与実験を行った。5頭の血中T値は, 3~8月に低値を, 9~2月に高値を示す明瞭な季節変動を示し, またLH値は5~8月に低値を, 11~2月に高値を示すT値とほぼ平行した季節変動を示した。交尾期の1月と非交尾期の8月に, hCGを5頭に投与した結果, いずれも30~180分後には有意な増加がみられたが, 8月ではその増加は明らかに少なく, 4日間連続投与後の5日後には, 1月での著明な増加に対し8月ではわずかな増加にとどまった。これは, 非交尾期の精巣のT分泌機能が, 交尾期に比べ明らかに低下していることを示していた。さらに3頭を用いて, LH-RH投与を行った結果, 非交尾期の7月には交尾期の12月に比べ, LH, T値いずれも, その増加は明らかに少なかった。移行期の9月では, LHは12月よりもむしろ高い反応性を示したが, その時のT値の増加は7月と同程度を示していた。これは, 非交尾期には下垂体と精巣の機能が明らかに低下していることを示しているが, 移行期には下垂体の機能はすでに回復しているのに対して, 精巣はいまだ低下した状態下にあることを示している。これらの成績から, ニホンザルの非交尾期における雄性機能の低下は, 視床下部のLH-RH分泌能を含む上位中枢の機能低下によるものであることが示唆された。
  • 後藤 一雄, 伊藤 豊志雄
    1994 年 43 巻 3 号 p. 389-394
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    ティザー菌をPCR法を用いて, 高感度かつ特異的に検出する目的で, マウス由来ティザー菌 (MSK株) の16SリボゾームDNA (rDNA) の塩基配列を決定し, その配列をRJ株 (ラット由来) の配列と比較した。決定された配列はMSK株およびRJ株で相同性が高かったが (97%以上) , 他の菌種との相同性は低かった (70~83%) ことからティザー菌種に特異的配列を含んでいると考えられた。そこで, PCR法でTyzzer菌種を特異的に検出するプライマーをこれらの塩基配列をもとに選択した。選択されたプライマーを用いたPCR法では, ティザー菌2株 (MSK株およびRJ株) の他, ハムスター由来のHN株を検出できたが, ティザー菌以外の細菌は検出されず, ティザー菌種に対して高い特異性を示した。また, 1個以上のティザー菌 (RJ株) が検出可能であった。さらに, 9匹のJc1: Wistarラットに2×104の菌を経口的に実験感染させ, 接種後1, 3および5日目にそれぞれ3匹ずつ肝臓, 心臓, 盲腸, 脾臓および腸間膜リンパ節を採材しPCR法および蛍光抗体法を用いて菌検索を行った。接種後1および3日目の材料からはいずれの方法においても菌は検出されなかった。しかし, 接種後5日目のラットのうち1匹は肝臓および心臓から, 他1匹は盲腸からそれぞれ両方法によって菌が検出された。これらの結果から, 今回明らかにされたMSK株16SrDNAの塩基配列はティザー菌種間でよく保存されていること, さらに選択されたプライマーを用いたPCR法が高感度かつ特異的なティザー菌診断法として有用であることが示唆された。
  • 松崎 哲也, 松崎 香苗, 横畑 泰志, 大坪 リラ, 神谷 正男, ヤテス テリー
    1994 年 43 巻 3 号 p. 395-401
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    キタバッタネズミ (Onychomys leucogaster) の実験動物化を目的としてニューメキシコ州で捕獲した野生キタバッタネズミの実験室内繁殖を試み, 以下の成績が得られた。キタバッタネズミを雌1: 雄1で長期間同居 (30日以上) させた場合の妊娠率は75.0%であったが, 短期間同居 (1~7日) では4.0%と低値であった。産子数は1~6匹の幅で, 平均3.5±1.2匹であった。哺育は比較的良好で, その離乳率は78.8%であった。雌の腟垢像から精子を確認する方法で調査した妊娠期間は, 25~31日, 平均27.4±2.0日であった。なお, 温湿度の一定している飼育室では周年繁殖が可能であった。
  • 久富 寿, 三浦 竜一, 塩田 邦郎, 小川 智也, 茶山 和敏, 田中 愼, 松沢 昭雄, 加納 康彦
    1994 年 43 巻 3 号 p. 403-408
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    マストミス (Pyaomys coucha) はマウスとラットの中間大の大きさをもつネズミ科のプラオミス属に属するげっ歯類である。本研究では, サテライトDNAを用いてマストミスのマウスおよびラットとの系統的近縁関係を調べた。それぞれの肝臓から抽出した遺伝子を制限酵素 (EcoRI・BglII) で処理し, EcoRI/BglII-0.5Kbp repeated elementを精製し, それらの塩基配列を決定した。それらの塩基配列を相互に比較した時の相同性と進化速度は, マストミスとマウスでは86.06%・0.1578, マストミスとラットでは85.56%・0.1671, マウスとラットでは83.91%・0.1863を示した。このことから, マストミスは系統的にマウスとラットの中間に位置し, マウスにより近縁であることが明らかになった。
  • ―検眼鏡による検索―
    清澤 岩水, 青木 誠, 今村 卓広, 柴田 信男, 内藤 惇, 斎藤 徹, 高橋 和明
    1994 年 43 巻 3 号 p. 409-412
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    自然発症性糖尿病好発WBN/Kob系雄ラットの加齢に伴う視覚器の変化を肉眼的および検眼鏡により検索した。Wistar/ST系雄ラットを対照とし, 各々5, 9, 13, 17, 23, 27, 36, 45, 54, 67, および80週齢時に各5匹ずつ, 眼瞼周囲, 眼瞼, 水晶体, 硝子体および眼底について, 視診および眼底カメラにて検査を実施した。その結果, WBN/Kob系ラット, Wistar/ST系ラットともに眼瞼周囲にハーダー腺からの赤褐色分泌液の付着が54週齢以上で多く観察されたが, 差はなかった。そして, WBN/Kob系雄ラットでは, 水晶体の白濁が67週齢以降に, 網膜の動静脈の狭細化が36週齢以降にそれぞれ観察された。この水晶体の白濁発生時期はすでに報告 (清澤ら, 1993) したY字型装置を用いた明暗識別能による視覚機能障害発生時期と一致していた。
  • 後藤 一雄, 国田 智, 寺田 英司, 伊藤 豊志雄
    1994 年 43 巻 3 号 p. 413-415
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    5ヵ所のマイコプラズマ汚染施設および2ヵ所のマイコプラズマ非汚染施設由来のラットの鼻腔, 気管および口腔ふきとり材料からMycoplasma pulmonisの検出をPCR法と培養法で行い, その検出成績を比較した。鼻腔では, PCR法と培養法でそれぞれ, 34/54, 30/54, 気管ではそれぞれ, 31/54, 28/54および口腔ではそれぞれ, 12/39, 30/39が陽性を示し, 鼻腔および気管ではPCR法の検出成績が培養法のそれを上回ったが, 口腔ではPCR法の検出成績は著しく低かった。また, 両検査法での一致率は, 鼻腔と気管でそれぞれ48/54 (88.9%) , 49/54 (90.7%) ときわめて高かった。これらの結果から, 臨床材料からのM.pulmomsの検出は鼻腔または気管ふきとり材料を用いたPCR法が迅速性および感度の面で有用であることが示された。
  • 堀切 和哉, 尾崎 清和, 前田 博, 奈良間 功
    1994 年 43 巻 3 号 p. 417-420
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    毒性試験に用いた実験用ビーグル犬のなかで生後7ヵ月齢および9ヵ月齢の2例の雄性ビーグル犬に角膜Dermoidがみられた。肉眼的には角膜からの発毛が観察された。1例については, 角膜から毛を抜去したにもかかわらず, 約70日後には再び発毛が観察された。病理組織学的検査では, メラノサイト, メラニン顆粒, 毛, 毛包, 脂肪織, 皮脂腺および汗腺が角膜上皮と固有質に認められた。実験用ビーグル犬の場合, 角膜Dermoidの発現率は非常に低いことが4ヵ所の生産業者からの情報により確認できた。
  • 松崎 哲也, 横畑 泰志, 神谷 正男, テリー ヤテス
    1994 年 43 巻 3 号 p. 421-425
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    1990年9月に北海道大学獣医学部より冬眠動物であるポケットマウス (Perognahtus flavus) を導入し, 実験室内飼育を試みた。ポケットマウスの飼育環境はマウス飼育条件で可能であった。繁殖の試みでは, 雌4: 雄2をランダム交配させた結果, 一組に妊娠が成立し, 室内飼育で初めて出産が観察された。その1腹から3子が誕生し, 新生子は赤裸で体毛がなく閉眼していた。体重は1.0gであった。3週齢の体重は雌で6.5g, 雄は5.6gとなり離乳が可能であった。その後の成長速度は速く, 雌では5週齢で, 雄は7週齢でほぼ成熟体重 (8.0g) に達した。なお, 妊娠期間は26日と推定された。上記の結果, ポケットマウスの室内飼育繁殖の可能性が示唆された。
  • 藤平 篤志, 斎藤 徹, 外尾 亮治, 古舘 専一, 高橋 和明
    1994 年 43 巻 3 号 p. 427-431
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    下垂体移植雄ラットにbromocriptine (CB-154) を投与し, 対照群にはvehicle (生理食塩水) を投与して交尾行動の観察を行った。高プロラクチン血症群では偽手術群と比べて交尾行動の有意な抑制が認められた。一方, CB-154処置群では偽手術群と比べて交尾行動の有意な抑制は認められなかった。下垂体を移植し生理食塩水を投与した群では偽手術群に比べて血清プロラクチン濃度が有意 (P<0.05) に上昇した。下垂体移植群と偽手術群の間には副腎重量と性腺刺激ホルモンの血清濃度において有意差は認められなかった。これらの結果はプロラクチンが中枢神経系に直接作用し, 交尾行動を抑制することを示唆するものと思われる。
  • 峰松 澄穂, 蛭田 政宏, 渡部 理之, 雨谷 栄
    1994 年 43 巻 3 号 p. 433-438
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    ラットの体重, 摂餌量, 飲水量および自発運動量の連続自動測定装置を開発した。得られたデータから体重変動と他のパラメータとの間で重回帰分析を行うと, 暗期では体重変化は主に飲水量と高い相関関係が認められたが, 明期においては摂餌量および自発運動量と体重変化量との間に低い相関が認められただけであった。体重は様々な要因により変化するため, 体重変化を指標とするような実験, あるいは体重の生理学的研究においては, 体重とともに摂餌量, 飲水量, 自発運動量あるいはその他のパラメータを同時に連続測定すべきであり, 本装置の有用性が認められた。
  • 二村 芳弘, 松本 清司
    1994 年 43 巻 3 号 p. 439-443
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    4~52週齢のSlc: ICRマウスおよびSlc: Wistarラットを用いて骨髄マクロファージのIL-1αおよびIL-1β受容体について調べた。マウスおよびラットとも骨髄マクロファージのIL-1α受容体には低親和性および高親和性の2種類が存在し, そのKd値は幼若時に低く, 老齢時に高い値を示した。また, その受容体数はマウスで幼若および老齢時に低いが, ラットでは幼若時に高く, 加齢に伴い減少した。一方, IL-1β受容体のKd値はラットおよびマウスともに加齢に伴い上昇し, IL-1と結合しにくい状態を示した。以上の成績から, マウスおよびラットの骨髄マクロファージのIL-1受容体は加齢により量的にも質的にも低下することが示唆された。
  • 安斉 政幸, 中潟 直己, 松本 和也, 石川 孝之, 高橋 由美, 宮田 堅司
    1994 年 43 巻 3 号 p. 445-448
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    トランスジェニックマウスの作製をより効率化することを目的に, 超急速凍結法で保存した体外受精由来前核期受精卵を用いてトランスジェニックマウスの作製を試みた。体外受精によって得られた前核期受精卵 (C57BL/6N) を超急速凍結し, 融解後の卵子に遺伝子 (βact-Luc) を顕微注入した。また, 対照区には新鮮な体外受精卵を用いた。注入後, それぞれ70.8% (131/185) , 71.9% (159/221) の卵子が生存し, それらを偽妊娠第1日目のレシピエント雌卵管内に移植した結果, 凍結区で13.6% (17/125) , 対照区で14.1% (21/149) の産子を得た。更にサザンプロット解析により, いずれの区においても2匹に導入遺伝子の組み込みを認め (凍結区, 2/17: 12%; 対照区, 2/21: 10%) , また, 各トランスジェニックマウスの脳組織についてルシフェラーゼ活性を調べた結果, 全てのマウスで遺伝子の発現を確認した。以上の結果より, 超急速凍結法で凍結保存した体外受精由来前核期受精卵よりトランスジェニックマウスの作製が可能であることが示された。
  • 武吉 正博, 井上 武, 岩田 祐之
    1994 年 43 巻 3 号 p. 449-451
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    肝蛭 (Fasciola hepatica) 抽出液に対する6系統のマウス (C3H/HeN, CBA/JN, DBA/2N, BALB/cAnN, C57BL/6NおよびNZBWF1) のIgE応答を, 受身皮膚アナフィラキシー (PCA) 反応を用いて検討した。その結果, DBA/2NおよびBALB/cAnNが他の系統に比べて高いIgE応答を示した。
  • 1994 年 43 巻 3 号 p. e1
    発行日: 1994年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
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