Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
Print ISSN : 0007-5124
大理石骨病 (op/op) マウスの下顎頭の形態
河田 俊嗣丹根 一夫
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1994 年 43 巻 5 号 p. 687-692

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抄録
osteopetrotic (op/op) マウスは, macrophage colonystimulating factor (M-CSF) の生産遺伝子に欠陥を有するため, 破骨細胞が正常に形成されず, 骨吸収機能が停止している。その結果, 骨の硬化や頭蓋の変形, 歯の萌出障害などが特徴的に認められる。本研究は, 成長期のop/opマウスの下顎頭の形態を正常マウスと比較観察したものである。この突然変異マウスでは, 関節突起の変形や下顎頭の未骨化が明らかとなったが, さらに正常マウスにくらべ外側翼突筋の発育程度が低いことが示された。これらの形態異常の直接的原因は, 成長発育にともなう骨の改造 (リモデリング) が行われないことにあるが, 下顎頭の未骨化および外側翼突筋の未発達は, 歯の萌出障害にともなう咀嚼運動の不調とも関連していると思われた。
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© 社団法人日本実験動物学会
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