ファルマシア
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セミナー
薬物相互作用症例の解析
チザニジンを例に
本間 真人百 賢二
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2014 年 50 巻 7 号 p. 684-687

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抄録
一般に薬物相互作用による有害事象は発現頻度が低いため,予測困難な場合が多い.薬物相互作用は大きくPharmacodynamicsとPharmacokineticsに基づくものにそれぞれ分類されるが,薬物相互作用による有害事象の発現を考える場合,Pharmacodynamicsに基づくものは投与する薬剤の薬理作用から比較的類推しやすい.例えば,糖尿病の治療に作用機序の異なる血糖降下薬を併用した場合の低血糖症状などである.一方Pharmacokineticsに基づくものは,薬物動態に関連するタンパク質(薬物代謝酵素,トランスポーター,結合タンパク質など)を介しておこるため不特定の併用薬剤の薬物動態が変化し,それに対応して薬理作用が変動(増強あるいは減弱)するため,どの薬剤の副作用がどの程度発現するかを予測することは困難である.
このような発現頻度が低く,予測困難な薬物相互作用に起因した有害事象は,日常診療で遭遇する症例から発見されることが多く,未然に防ぐためにはその症例を詳細に解析し,調査研究によって発現にかかわるリスク因子を明らかにすることが重要である.症例を発見するためには,日頃から最新情報を収集し(文献検索や学会参加など),新しい視点で症例を観察することが肝要である.また症例解析から展開する調査研究では,薬剤の使用(併用)実態を把握することも有用である.これらの具体的な内容を筋緊張緩和薬であるチザニジンの薬物相互作用を例に述べてみたい.
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© 2014 The Pharmaceutical Society of Japan
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