ファルマシア
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多能性鍵中間体から5つのインドールアルカロイドの作り分けに成功!
岩崎 浩太郎
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2014 年 50 巻 8 号 p. 810

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抄録

多様な骨格を有する天然物は,生体内受容体との特異的な相互作用が可能であるため,医薬の発展に貢献してきた.しかし,天然資源が限られている場合も多く,効率的な供給法の開発が求められている.自然界では,ある生合成中間体から種々の分子内環化反応が巧みに制御され,多様な骨格を有する化合物群が生産されると考えられている.もし合成化学的手法によって,1つの鍵中間体から天然,非天然によらず様々な骨格を持つ複雑な化合物群を自在に得る戦略を一般化できれば,医薬になり得る化合物をより迅速かつ,網羅的に探索することが可能となるであろう.今回,大栗,及川らはこのコンセプトに基づき多環性インドールアルカロイド群の骨格多様化合成に成功したので紹介したい.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Lachance H. et al., J. Med. Chem., 55, 5989-6001 (2012).
2) Mizoguchi H. et al., Nature Chem., 6, 57-64 (2014).

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© 2014 The Pharmaceutical Society of Japan
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