ファルマシア
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カチオン性ナイロン3ポリマーで真菌を退治
水口 貴章
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2014 年 50 巻 9 号 p. 917

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抄録
カンジダ症は,皮膚・消化管・口腔・膣などに常在する真菌(カンジダ属)の繁殖によって起こる感染症であり,その原因となる真菌の約50%がカンジダ属のCandida albicansC. albicans)である.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染やステロイド薬投与による免疫機能低下,および広域抗菌薬の長期使用に伴う菌交代現象などにより発症し,皮膚や粘膜に白苔・炎症・潰瘍を起こす.その治療には,真菌細胞膜中のエルゴステロールを標的にしたアムホテリシンBやフルコナゾールなどの薬剤が使用される.近年,これらの薬剤に耐性を持つC. albicansが増加し問題となっている.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Brown G. D. et al., Sci. Transl. Med., 4, 165rv13 (2012).
2) Mowery B. P. et al., J. Am. Chem. Soc., 129, 15474-15476 (2007).
3) Liu R. et al., J. Am. Chem. Soc., 136, 4333-4342 (2014).
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© 2014 The Pharmaceutical Society of Japan
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