2015 年 51 巻 12 号 p. 1160_2
マルコフモデル(Markov Model)とは,複数の内部状態を有し,その状態間を確率的に遷移するシステムにおいて,未来の状態が現在の状態だけで決定されると考えられた時(これを,マルコフ過程に従うという),入力の分布の時間発展を予想する確率モデルである.システムの全ての状態間遷移は確率変数によって定義されている.生体システムにおいては,イオンチャネルや受容体などが活性化される過程など分子レベルのイベントや,人口分布推移や感染症流行など集団レベルの現象がマルコフ過程に従うとの仮定のもと,各状態の遷移を予測するためにマルコフモデルが応用,分析されている.