含窒素化合物は生理活性天然物や医薬品に多く見られ,炭素-窒素(C-N)結合形成反応は有機合成化学において最も重要な反応の1つである.C-H結合活性化による含窒素官能基の導入は近年活発に研究がなされている分野であるが,そのほとんどがC(sp
2)-Hアミノ化やアミド化であり,C(sp
3)-H活性化による分子間C-N結合形成反応の報告は限られていた.Yuらは脂肪族カルボン酸アミドのβ位C(sp
3)-H結合を活性化してアルキルアミノ基を導入する手法を開発したので,本稿で紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) He J.
et al.,
Angew. Chem. Int. Ed., 54, 6545-6549 (2015).
2) Wasa M.
et al.,
J. Am. Chem. Soc., 131, 9886-9887 (2009).
3) He J.
et al.,
J. Am. Chem. Soc., 135, 3387-3390 (2013).
4) Tan Y., Hartwig J. F.,
J. Am. Chem. Soc., 131, 3676-3677 (2010).
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