ファルマシア
Online ISSN : 2189-7026
Print ISSN : 0014-8601
ISSN-L : 0014-8601
セミナー
トシリズマブ
広がる適応症・臨床の現場から
田中 敏郎
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 51 巻 5 号 p. 408-413

詳細
抄録

ヒト化抗interleukin-6(IL-6)受容体抗体トシリズマブ(商品名:アクテムラ)は,我が国初の抗体医薬として,2005年にキャッスルマン病の治療薬として認可され,2008年には関節リウマチ,全身型および多関節型の若年性特発性関節炎に対しても保険収載された.これらの疾患に対するトシリズマブの効果は劇的であり,新たな治療の時代を迎えたと言われる.IL-6は多彩な作用を有し,様々な疾患の発症や進展に関与するサイトカインである.そのためトシリズマブは,上記以外の疾患に対しても画期的な治療薬となる可能性があり,世界中で適応拡大に向けた臨床試験が進められている.また,新たなIL-6阻害剤も開発中にある.本稿では,その可能性について紹介したい.

著者関連情報
© 2015 The Pharmaceutical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top