ファルマシア
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不斉ヒドロアルコキシ化反応を鍵としたアノマー位の立体制御
中原 健二
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2015 年 51 巻 5 号 p. 458

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抄録

糖鎖は多くの生命現象に深く関わっており,機能解明の観点からも効率的な合成法の開発が求められている.糖鎖合成における課題は,立体選択的なグリコシル化反応,すなわちアノマー位の立体化学を制御することにある.そのため,アノマー位の立体制御に関する研究は,古くより盛んに行われており,活性な脱離基を用いる方法,隣接基関与を利用する方法などが一般的である.しかし,これら従来法では,活性基へと変換する工程が必要であること,立体選択性は既に存在する置換基の影響を受けるといった課題が残されている.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Satoh H., Manabe S., Chem. Soc. Rev., 42, 4297-4309 (2013).
2) Lim W. et al., J. Am. Chem. Soc., 136, 13618-13621 (2014).

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© 2015 The Pharmaceutical Society of Japan
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