ファルマシア
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重合度が決め手:プロシアニジンの生物活性
笠島 直樹
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2015 年 51 巻 6 号 p. 578

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抄録

プロシアニジン(PC)は,カテキンやエピカテキンなどのフラバン-3-オール類が重合した構造を持つ化合物の総称であり,ブドウ,リンゴ,カカオなどの身近な植物にも含まれることが知られている.PCは縮合型タンニンとも呼ばれ,これまでに抗酸化作用,血管保護作用,肝機能改善作用,血圧上昇抑制作用など多くの生物活性が報告されているが,その活性の強さは構成されるフラバン-3-オール類の種類や結合様式,さらにはその重合度によって異なると考えられている.これまでの研究において,in vitroでPCの構造活性相関について評価を行った報告はあるものの,in vivoでの検討は少ない.今回,Wuらによって,PCの重合度と生体での効能に関する報告がなされたので,それらについて紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Wu Z. et al., Nat. Prod. Res., in press (2015).
2) Roopchand D. E. et al., J. Agric. Food Chem., 60, 8860-8865 (2012).
3) Sugiyama H. et al., J. Agric. Food Chem., 55, 4604-4609 (2007).
4) Schafer A. et al., Diabetes. Res. Chin. Pract., 77, 41-46 (2007).
5) Monagas M. et al., J. Agric. Food Chem., 51, 6475-6481 (2003).

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© 2015 The Pharmaceutical Society of Japan
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