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Gpnmbは非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)のバイオマーカーと成り得るか?
髙見 陽一郎
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キーワード: NASH, Gpnmb, 酸化ストレス
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2016 年 52 巻 7 号 p. 699

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抄録

非アルコール性脂肪性肝疾患(non-alcoholic fatty liver disease:NAFLD)は,飲酒歴がないにもかかわらず,アルコール性肝炎と類似した炎症や線維化を認める予後不良の病態である.NAFLDのうち,進行性の病態が非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic steatohepatitis:NASH)であり,治療介入がない場合5~10年で5~20%が肝硬変に進行すると言われている. NASHの診断において最も重要な問題は,確定診断が侵襲を伴う肝病理組織検査で行われ,病理医により診断に違いが生じることである.したがって,肝生検に代わる血液マーカーが望まれている.本稿では,glycoprotein nonmelanoma protein B(Gpnmb)がNASHのバイオマーカーと成り得ることが岡山大学のグループにより示されたので紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) 岡上 武ほか,“NASH・NAFLDの診療ガイド2015”, 日本肝臓学会編, 文光堂, 東京, 2015, pp. 26-31.
2) Katayama A. et al., Sci. Rep., 5, 16920 (2015).
3) Safadi F. F. et al., J. Cell. Biochem., 84, 12-26 (2001).

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© 2016 The Pharmaceutical Society of Japan
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