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タンパク質を細胞内に運ぶ自壊性ボロン酸誘導体
三田 裕介
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2016 年 52 巻 8 号 p. 793

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抄録

タンパク質を細胞内に導入するためには,細胞膜を通過することが必要となる.これまでに膜透過性ペプチド等でタンパク質を修飾することで,タンパク質を細胞内に導入する様々な手法が報告されている.しかしながら,タンパク質の修飾による生理活性の低下など好ましくない影響が観察される場合もある.本稿では,Andersenらが報告した,細胞膜通過後に修飾化合物が自壊し,タンパク質をフリーの状態で細胞内に導入することが可能なボロン酸誘導体1について紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Fu A. et al., Bioconjugate Chem., 25, 1602-1608 (2014).
2) Ellis G. A. et al., J. Am. Chem. Soc., 134, 3631-3634 (2012).
3) Andersen K. A. et al., ACS Chem. Biol., 11, 319-323 (2016).
4) Jung M. E., Piizzi G., Chem. Rev., 105, 1735-1766 (2005).

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© 2016 The Pharmaceutical Society of Japan
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