ファルマシア
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セミナー
腸内フローラとがん
大谷 直子
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2017 年 53 巻 11 号 p. 1069-1072

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抄録
宿主であるヒトと腸内細菌叢はお互い共生関係にある。しかし、ひとたびそのバランスが崩れると、がんなど様々な疾患発症に寄与することもある。筆者らは肥満に伴い増加するグラム陽性腸内細菌が、デオキシコール酸を産生し、腸肝循環等を介して、デオキシコール酸を肝臓に供給するだけでなく、その細胞壁成分のリポタイコ酸をも肝臓に供給し、肝星細胞を含む肝臓の組織微小環境を変え、肝がんの進展に寄与する可能性を示した。
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© 2017 The Pharmaceutical Society of Japan
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