微生物の中には「植物と共に生きる菌(植物共生菌)」が存在し,根粒菌や菌根菌などは農業応用研究が盛んに行われている.これら植物共生菌の中には,宿主植物と同じ二次代謝成分を生産するものが存在し,カンプトテシンやタキソールの生産菌は植物二次代謝成分の新たな供給源として注目を集めている.しかし,多くの菌は植物と比べて化合物生産性が乏しいのが難点である.今回,ラン科植物の
Dendrobium nobileを材料に,植物共生菌によるアルカロイド生産制御のメカニズムを明らかにしたLiらの報告を紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Li Q.
et al.,
Sci.
Rep., Published online:22 March 2017
7, 316 doi:10.1038/s41598-017-00445-9(2017).
2) Malhotra N.
et al.,
Phytochemistry,
108, 26-34(2014).
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