2017 年 53 巻 11 号 p. 1101_2
腸内細菌メタゲノム解析では,細菌の全ゲノム情報を解析し,どのような菌がどれくらい存在するかという情報以外に,どのような遺伝子をどれくらい持つかなども知ることができる.糞便などから抽出した全ゲノムDNAを,制限酵素などで物理的に切断し,切断された短いDNA鎖を,次世代シーケンサーを用いて無作為に配列の決定をする.そのDNA断片の配列の重なり部分をコンピュータ上でつなぎ合わせることで,連続した全ゲノムの遺伝子配列を決定するという方法である.ヒトゲノム計画でも,この方法を用いて解析された.コンピュータの計算処理能力の進歩とデータ処理方法の開発により,遺伝子配列が比較的容易に決定できるようになった.