2017 年 53 巻 6 号 p. 575_1
ASとは,感染症専門の医師や薬剤師などが個々の患者に対して主治医が抗菌薬を使用する際,最大限の治療効果を導くと同時に有害事象をできるだけ最小限にとどめ,いち早く感染症治療が完了できる(最適化する)ように支援を行うことである.
安易な(不適切な)抗菌薬の使用は,耐性菌を発生あるいは蔓延させる原因となるため,ASを推進することは耐性菌の出現を防ぐ,あるいは遅らせることができ,医療コストの削減にもつながることが,様々な国から報告されている.すなわち,ASは感染症診療における耐性菌抑制と予後向上を両立させるための中心的役割を担っている.