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FDAにおけるセンチネル・イニシアティブの始動について
萩原 宏美
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2017 年 53 巻 7 号 p. 723

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抄録
近年,医療情報データベースの利活用による新たな市販後安全対策がすすめられ,厚生労働省や医薬品医療機器総合機構(PMDA)を中心にデータベースの構築のための「日本のセンチネル・プロジェクト」が実施されている.このプロジェクトは,米国食品医薬品局(FDA)の「センチネル・イニシアティブ」をモデルにしている.センチネル・イニシアティブでは,電子医療情報データベースを構築し,市販後の積極的なサーベイランスを実施することを目的とし,2012年までに1億人規模のデータ利活用を目標にした. 2009年のミニセンチネルパイロット研究を皮切りに,科学的手法の開発が始められ,2016年にセンチネル・イニシアティブがついに本格始動した.そこで,本稿では,センチネルシステムと既存の研究結果が一致することを示した最初の報告であるGagneらの論文を紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Gagne J. J. et al., Clin. Pharmacol. Ther., 100, 558-564(2016).
2) Toh S. et al., Arch. Intern. Med., 172, 1582-1589(2012).
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© 2017 The Pharmaceutical Society of Japan
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