ファルマシア
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水をヒドロキシ源としたNiおよび光レドックス触媒の協同作用による水酸化
鈴木 康平
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2018 年 54 巻 10 号 p. 980

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抄録

フェノールは,多くの医農薬や生物活性天然物に見受けられる重要な官能基である.フェノール類の合成には様々な手法が用いられるが,近年開発された魅力的な手法の1つとして,金属触媒を用いるハロアレーンの直接的水酸化が挙げられる.しかし,本手法では水酸化カリウム等の強塩基が必要となるため,基質適用範囲が広いとは言い難い.ごく最近,α-ベンズアルドキシムを強塩基の代替とする反応例が報告されたものの,高価なPd触媒を用いる必要がある.一方Xueらは,安価なNi触媒と有機光レドックス触媒(photoredox catalyst: PC)を組み合わせることで,クリーンで安全な求核剤である水をヒドロキシ源として用いる,より温和な水酸化反応を見いだしたので,以下に紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Fier P. S., Maloney K. M., Angew. Chem. Int. Ed., 56, 4478-4482(2017).
2) Yang L. et al., Angew. Chem. Int. Ed., 57, 1968-1972(2018).
3) Terrette J. A. et al., Nature, 524, 330-334(2015).

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© 2018 The Pharmaceutical Society of Japan
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