当社では1970年代に理想的な経口抗凝固薬の研究開発を開始した。幾多の困難を経て2012年に上市することができたが、本セミナーでは二つの大きな困難に絞って研究開発の経緯を紹介する。すなわち、研究開発の初期には経口吸収性の高い化合物の獲得およびFXa阻害薬が実際に抗血栓薬に成り得るかを見極めることに注力した。さらに、プロジェクトの最終段階における、心房細動によって誘発される脳卒中・全身性塞栓症の抑制という主適応症での臨床開発における厳密な用量設定と国際共同第Ⅲ相試験の推進という未経験領域への挑戦についても紹介する。