ファルマシア
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偶然と必然:基礎研究から創薬への飛躍
田中 啓二
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2020 年 56 巻 1 号 p. 1

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抄録

基礎研究が「役に立つこと」を前提としない科学であるとすると、創薬研究は「役に立つこと」を前提とした科学であるといえるが、この境界は判然としない。思わぬ偶然により基礎研究から出色の薬が誕生することがある一方、創薬研究だからといって珠玉の薬が必然的に創成できる保証はないからである。創薬を企図することは重要であるが、生物学の謎に挑み続ける幅広い基礎研究からヒントを得て、創薬へ飛躍するようなシナリオの成就は至高の歓びとなる。

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© 2020 The Pharmaceutical Society of Japan
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