抄録
非小細胞肺がん(NSCLC)の約3.0%には,oncogenic driverの1つであるMET遺伝子エクソン14スキッピング変異が認められ,予後不良因子と考えられている.これまで,MET遺伝子エクソン14スキッピング変異を有するNSCLCに対して承認された治療選択肢はなく,治療薬の開発が望まれていた.
本剤は,2018年3月27日付で「METエクソン14スキッピング変異を有する進行(III B/ IV期)非小細胞肺癌」を予定される効能・効果として厚生労働省が定める「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定され,2019年11月19日付で「MET遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌」を予定される効能・効果として「希少疾病用医薬品」に指定されている.また,米国食品医薬品局から,「ブレークスルー・セラピー(画期的治療薬)」の指定も受けている.
2020年3月25日付で,世界で最初に「MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」を効能・効果として,我が国で薬事承認を取得した.