2021 年 57 巻 10 号 p. 875-878
細胞は生体内で動き続けているが、移動距離の長い免疫細胞にとってその動態は特に重要である。彼らの複雑な動きは極めて巧妙に制御されており、必要なときに必要な場所へ移動して相互作用を行うことで免疫システムが保たれている。一方これが破綻することで、生活習慣病やがんなど様々な病気が引き起こされる。従来の免疫学で用いられてきた、分子生物学手法、フローサイトメトリーなどに加えて、生体イメージングにより得られる動きの情報により、免疫学の新たな側面が明らかになりつつある。