ファルマシア
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古くて新しい経口血糖降下薬メトホルミン:腸管腔へのブドウ糖排泄の促進
吉門 崇
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2021 年 57 巻 6 号 p. 549

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抄録

経口血糖降下薬メトホルミンの作用メカニズムには長らく不明な点が多かったが,近年そのターゲットとしてAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)が注目されており,AMPKを介した脂質合成抑制や糖新生抑制が考えられている.また,ミトコンドリア内膜のグリセロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼも新たなターゲットとして報告された.これらは,肝臓等における糖代謝の是正という点で共通している.一方,メトホルミンはブドウ糖の腸管腔からの吸収を抑制すると考えられていたが,Moritaらによるpositron emission tomography(PET)標識体(18F-フルオロデオキシグルコース:18F-FDG)を用いた研究により,メトホルミンが腸管腔へのブドウ糖排泄を促進することが示唆されたので,本稿で紹介したい.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Zhou G. et al., J. Clin. Invest., 108, 1167-1174(2001).
2) Madiraju A. K. et al., Nature, 510, 542-546(2014).
3) Horakova O. et al., Sci. Rep., 9, 6156(2019).
4) Morita S. et al., Diabetes Care, 43, 1796-1802(2020).
5) Ait-Omar A. et al., Diabetes, 60, 2598-2607(2011).

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© 2021 The Pharmaceutical Society of Japan
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