抄録
特集:様々な機能を有する新世代の生理活性脂質
特集にあたって:1982年にプロスタグランジンの発見とそれに関連する研究により3人の研究者,Vane,Samuelsson,Bergströmらがノーベル賞を受賞した.それから40年が経ち,技術革新の目覚ましい質量分析技術により,今まで同定されていなかった新世代の生理活性脂質が多数発見された.さらに,様々な脂質代謝酵素の遺伝子欠損マウスを用いることで,新たな脂質の機能解析も可能となってきた.本特集では,最近見いだされた生理活性脂質の生理的意義や最新の分析技術について,気鋭の研究者にご紹介いただいた.
表紙の説明:日本国内には脂質分野をリードする研究者が多数おり,現在,科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業(ERATO)では,脂質研究の大型プロジェクト「リピドームアトラス」が進められている.「アトラス」には「地図集」という意味があり,本号の表紙は,まさに新しい脂質の世界地図が編纂されていく様子をイメージしている.