抄録
全身性強皮症は,各種臓器の線維化と血管内皮増生による血流障害を特徴とする指定難病であり,現在のところ有効な治療法はない.その病因については不明な点が多いものの,特異的自己抗体を産生する免疫異常や,筋線維芽細胞の過剰活性化に基づく線維化が考えられている.本稿では,ヒト強皮症検体を用いたシングル細胞RNA-seq解析により病態解明の鍵を握る細胞の挙動や遺伝子発現変化を示した論文を紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Boris H. et al., Nat. Rev. Rheumatol., 16, 11–31(2020).
2) Gur C. et al., Cell, 185, 1373–1388(2022).