2023 年 59 巻 5 号 p. 432
新規な基質の反応位置・立体選択性などを予測するツールとして,機械学習を利用する試みが活発化している.C–H結合の官能基化反応では,配向基を用いず,触媒のみによって制御される反応の位置選択性を経験的に予測することは難しい.最近Boniらは,二核ロジウム錯体を触媒とするC(sp3)–H変換反応について,機械学習による位置選択性の予測モデルを報告したので紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Boni Y. T. et al., J. Am. Chem. Soc., 144, 15549–15561(2022).
2) Ahneman D. T. et al., Science, 360, 186–190(2018).