2025 年 61 巻 9 号 p. 853
疾患治療において,標的とする特定の組織・細胞においてのみ薬剤を活性化できるシステムは,非常に魅力的なものである.特に,外部から非侵襲的な方法でこれを実現することが強く望まれている.これまで,制御因子として光を用いることで薬剤の活性をコントロールするアプローチが数多く報告されているが,本稿では,光に代わって超音波により薬剤の活性化を制御するシステムを構築したWangらの論文を紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Wang W. et al., Nature, 638, 401-410(2025).
2) Huo S. et al., Nat. Chem., 13, 131-139(2021).
3) Chen L. et al., Nature, 628, 320-325(2024).