抄録
蔗糖とN-アセチルグルコサミン共存下で糖転移型β-フルクトフラノシダーゼにより新規糖N-アセチルスクロサミンの生産が西尾らによって提案され,この単離結晶化まで成功させている.また,このヘテロ二糖は小腸で消化吸収されることなく,大腸内のビフィズス菌の特定の株を選択的に増殖させることからプレバイオティクスとしても期待できる.そこで,本検討では市販米麹を使って,蔗糖,N-アセチルグルコサミン共存下で発酵させた.
その結果,培地中にはN-アセチルスクロサミン,N-アセチルグルコサミン,グルコース,フルクトース,フルクトオリゴ糖が生成し,この原料である蔗糖はほぼ消失した.発酵培養液を粉末化あるいは麹菌体もともに粉末化しても,プレバイオティクスとして発酵食品として興味深い新しい食品開発ができるのではないかと考えられる.