Functional Food Research
Online ISSN : 2434-3048
Print ISSN : 2432-3357
総説
アルツハイマー型認知症と食品因子
坂井 研太松井 利郎
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2022 年 18 巻 p. 15-21

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抄録

認知症高齢者数は増加の一途であり,認知症問題は健康長寿社会を実現するための⼤きな障害となっている.したがって,「治療薬」の開発と「予防方法」の確立は認知症対策の両輪といえる.治療薬ではないが,食品因子としては,これまでにポリフェノールやペプチドによって認知症が「改善」されることが報告されている.しかしながら,これら因子がそのままの形で⾎液脳関門を透過し,脳実質へ移行,蓄積するかどうかは不明である.また,アルツハイマー型認知症兆候は認知症と診断される10 ~20 年前からすでに始まっているとされ,アミロイドβ蓄積だけではなく,アストロサイトでのグルタミン酸制御の異常もその要因の一つであるとされている.そこで本稿では,食品因子によるアルツハイマー型認知症の予防について,これまでの報告をもとに概説する.

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© 2022 ファンクショナルフード学会
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