論文ID: ffr24-1126
腸内細菌叢と健康との関係に注目が高まるなか,様々な発酵食品の機能性として腸内環境改善効果などが報告されている.本研究では,ケールや大麦若葉等の植物性食品を主原料とする発酵食品に着目し,腸内細菌叢と腸管での発酵性およびその影響についてラットを用いて検討した.ラットの群構成は,4%伊豆酵素を配合した配合群,伊豆酵素と乳酸菌を2%ずつ等量配合した混合群そして,未配合のコントロール群の3群に分け給餌し3週間飼育した.その結果,伊豆酵素を摂取することにより,盲腸内容物中のpHの低下や便の臭気成分であるインドール,スカトールの産生量が低下し,短鎖脂肪酸であるプロピオン酸の産生量が有意に増加した.また,腸内細菌叢の解析結果から,有用菌であるAkkermansia属,Lactobacillus属,Roseburia属,Blautia属で増加傾向を示した.以上のことから,伊豆酵素の摂取により,腸内環境を改善させる効果が期待されることが示唆された.