森林遺伝育種
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論文
ケヤマハンノキの短期育苗法の確立に向けた有用根粒菌フランキアの選抜
斎藤 真己 長谷川 幹夫
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2012 年 1 巻 1 号 p. 7-12

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抄録

ケヤマハンノキの短期育苗法の確立を目的に、成長促進能力の高い根粒菌フランキアの選抜を試みた。富山県内4カ所の天然のケヤマハンノキの稚樹から根粒を採取し、発芽直後の実生に接種して2年間育苗した結果、根粒の採取地によって苗の成長は異なった。翌年、4カ所の採取地の中で最も成長が早かった採取地と遅かった採取地の根粒を育苗した苗から再採取し、同様の試験を行ったところ、再現性が確認された。また、このとき、最も成長が早かった採取地の根粒を接種した28個体の平均苗高は同年9月中旬に30cmを超え、30cm以上の苗高の得苗率は約70%であった。これらのことから、今回選抜したような成長促進能力の高い根粒菌を発芽直後の実生に接種することで、5ヶ月程度の育成期間で出荷可能な大きさになることが明らかになった。

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© 2012 森林遺伝育種学会

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